東京へ行き、レッスンを受けてきました。

1← 半年ほど前に話題になった本ですが、電車の中で遅ればせながら読み終えました。


「一生懸命って素敵なこと」
林文子
草思社

 

あずさの中ではとにかく体力確保のため眠ることに努め、都内の移動時しか本を読めないので、余計に遅くなりました。

林文子さん 
ホンダの販売店でトップセールスを記録し、その後支店長になる。
BMWに転職し、女性初の支店長に昇進。
フォルクスワーゲンにスカウトされ、代表取締役社長になり、4年間で売り上げを倍増させる。
再度BMWに戻り、社長に就任。
現在はダイエー代表取締役会長となり、ダイエーの再生に賭けていらっしゃる。

林さんはビジネス界に肩をそびやかして君臨されている方ではない。
男性に負けず劣らずのビジネスにおける有能な資質を持ち合わせた方でもない。
全然違う。
人が大好きで大好きで、お客様1人1人と丁寧に心を込めて接した結果、トップセールスを記録したのであり、BMWで営業不振の支店の支店長を任されたときも、支店の社員1人1人を誉めてやる気を起こさせ、支店内にいい人間関係が生まれることを真っ先に取り組み、社員のやる気を引き起こす職場にしたところで、業績アップにつながった。

引用
プロセスをみんなで見つめ合って、大事に思って、希望や愛情に満ちた場所にしなければならない。
一日のうち家族よりも長い時間、顔を見ているのは会社の同僚である。
そういう人達と楽しく過ごさなければ、仕事は苦痛以外の何物でもなくなってしまう。
それには心。
愛しかないと私は申し上げたい。

中略

部下を育てるには、長期的に考えなければいけないと思う。
いいところを誉めてあげて、ダメなところを叱って、敬愛の念を持って向き合う

信頼し合う心のベースをしっかり作ってから、仕事のスキルが載っかるのだと私は思っている。
人間同士の土台作りに心を傾けてやると、驚くほど業績が上がる。

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ほとんど私が日頃考えていることと同じ。
例えば営業職なら、決して頭を下げて腰を低くして買ってもらう仕事ではないと思っている。
逆にその商品について知り尽くしたプロとしてお客様からの尊敬を買い、お客様に喜びを与えてあげて、それがお金になる職業だと思う。
喜んでもらって感謝してもらって、お金をいただく。
理にかなっている。

私のお菓子教室も同じ。
師と生徒という感覚は皆無であり、私はその逆に考えている。
1人1人をお客様だと思っている。
尊敬に値する技術を身につけ、わかりやすく教えることが何よりの基本で、切磋琢磨を怠らないようにしているつもりだが、そこから先は完全にサービス業だと思って、私自身楽しくサービスのプロになろうと励んでいる。


100人以上の生徒さんの1人1人のことを知ろうと努めている。
1人1人のことがわかってくると、次にお会いするのが楽しみになる
私が楽しみでルンルンしていれば、きっと生徒さんにも楽しい雰囲気が感染するだろう、と期待している。


でも悩みもあって、生徒さんたちは毎回違うメンバーが集まり、初めてお顔を合わせる場合も多い。
たいていのレッスンでは、「なるほど〜!」「へ〜!」「わ〜!」と驚きながら感心していただきながら、進んでいく。
完成したときには、歓声があがったり、拍手をいただいたりする。
試食の時には、美味しい美味しいと一番盛り上がる。
2時間逐次驚いたり、感動したり、感激したり、それでこそ楽しかったと心から言える。
レッスンはライブであり、お菓子や食に興味を持った女性が8〜10人も会するのですもの、楽しい2時間になるはずです。

でもでも、私のそんな期待虚しく、レッスン中、水を打ったように静謐な日も時にある。
皆さん堅くなっていらして、空気が重たい。

私は悩みます。
いつもと同じようにして盛り上がらなければ、他の方法で生徒さんをくすぐらなくてはいけない。                                                   でもまだ私には上手くできない。

上手くいかないよ〜と主人に愚痴ると、みんながおまえやmikiさん(アシスタントちゃん)みたいな人間じゃないんだから・・・と返されるが、イヤだ。そのレッスンが楽しくなければ、準備も試作もすべてが虚しくなる。
楽しいから続けているのだ。

本題からそれました。
今日書きたかったことは、林文子さんのおっしゃることは、家庭、そして主婦業にもピタリと当てはまると気付いたことです

フォルクスワーゲンの社長に就任し、彼女はまず、労働条件の整備をしたそうです。
9時まで開いていたショールームを7時までとし、日曜も順番に休みを取れるようにした。
社員が仕事でくたくたになっていて、また遊ぶ時間すらない状態では、いい仕事はできない。
翌日への活力が湧くような職場に整備し直した。                                 (女性的な素晴らしい着眼点だと思う)

主婦も同じだと思う。
ウチの子もこれから難しい年齢にさしかかるのだが、子供や夫と心を触れあうための努力を怠らず、何も特別なことをするのでなく、母親として気を配ってあげればよいのだと自分に言い聞かせた。
林さんが職場の環境を改善したように、家庭の環境作りを楽しみながら、明日への活力が湧くような雰囲気を私から、母親から発信していくのだ。
(夫や成長した子供たちって受け身だから、こちらが率先してさりげなく舵をとる!)

ということで、このブログを読んでくださる方の中で、経営者は少ないかもしれないけど、林さんの著書は主婦やOLさんにも参考になる内容だと思いました

・・・長すぎましたね・・・。